それ町の時系列を並べ直すに当たり、ちょっと悩むのが・・・漫画の中の回想シーンだね。
この漫画、意外と回想シーンが多いんだよ。
さらに言うと、2種類の回想シーンがあるんだね。
ひとつは、
そう言えばこんな事があったよね?って感じで、各話の中で数ページ(又は数コマ)登場するパターン。
もうひとつは、
回想がメインの話・・・って言うか、回想だけで終了する話。
これは困った・・・
困ったので、独断と偏見でやっちゃうか!
ってことで、それ町公式ガイドブックの時系列年表を参考にしつつ、独自の解釈も交えて時系列を並べ直してみました。
基本的に、数ページの回想シーンは、メインストーリーの中のものとし、回想シーンメインの場合は時系列入れ替えで読み直していきます。
【第108話】続・夢現小説(回想パート)
●それ町本編の10年前/静ねーちゃん高校生
実際の時系列では、最終回「少女A」の後のエピソードで、歩鳥が自分の書いた文化祭の劇の脚本を亀井堂の静ねーちゃんに読んでアドバイスしてもらいに来たお話しね。※ただし最初と最後の数ページのみで、後は全て静ねーちゃんの回想。
そこで、静ねーちゃんは歩鳥の服についたタバコの匂い※涼ちんが吸ってるタバコから、高校時代のことを思い出すんだね。
子どもの頃からミステリー小説好きだった静ねーちゃんが、高校時代に影響を受けた男子、北村早希(きたむらさき)と出会った話しと、歩鳥と初めて会った時の話しだね。
北村君がはめてた女性物の腕時計(俺、ゴツい時計が嫌いなんだ)は、28歳(だよね?)の静ねーちゃんが愛用してるって品(第102話「廃村」で静ねーちゃんが使ってます)になってるけど、その経緯は一切語られません。
自分の書いた小説を読んでくれるもうひとりの自分。
自分と同じ感性を持っている他人に自分の書いた小説に対する意見を言ってほしい。
静ねーちゃんが、その相手に選んだのが歩鳥だったんだね。
【第26話】少女探偵誕生
●それ町本編の10年前/静ねーちゃん高校生
これは、時系列年表にも記載されていない、完全回想のみのお話し。
内容的には第5話「愛の逃避行」を受けてのお話しだね。
歩鳥がミステリー小説好きになり、探偵を目指す切っ掛けになったお話しね。
第108話「続・夢現小説」で歩鳥と出会った高校生の静ねーちゃん※磯端ウキに、子供の頃のあんたにそっくりって紹介されたのが歩鳥でしたが、自作のミステリー小説を歩鳥に渡すんだね。
ここから、静ねーちゃんの「歩鳥、自分化計画」が始まってます。
まあ、探偵・亀井堂静と助手・嵐山歩鳥・・・みたいな師弟関係みたいだね。
この108話&26話の関係、第26話で「資源回収で会った静ねーちゃんだろ」って台詞。
静ねーちゃんと歩鳥は、第108話の資源回収に参加した話で初対面してるんだね。
ここから、やっと・・・
それでも町は廻っている本編(歩鳥の高校3年間)がスタートです。
第12巻【巻頭カラー】
●歩鳥/高校1年生-4月
※第90話「消された事件」の前振りでもあります。
4月8日、高校の入学式です。
入学式を終えた歩鳥が、自分の制服姿を見てもらおうと、喫茶シーサイドに行くと・・・
メイド服に身を包んだ婆ちゃんが立ってました!
「婆ちゃん、何そのカッコ! 何革命だよ!」
と仰天する歩鳥・・・。
ちなみに、磯端ウキは歩鳥の本当の婆ちゃんではなく、家族みたいな近所の婆ちゃんだね。
【第68話】嵐山ジョセフィーヌ様
●歩鳥/高校1年生-4月
嵐山家の愛犬ジョセフィーヌを、歩鳥が予防注射に連れて行く話だね。
喫茶シーサイドを訪ねた静ねーちゃんが、ウキ婆ちゃんを「おばちゃん」と呼んでるのは、静ねーちゃんが婆ちゃんと出会った時、「磯端ウキ」が「おばちゃん」って呼ばれる年齢だったからだって。細かい設定だね。
予防接種から戻ったジョセフィーヌ(放心状態)が、失われた記憶(放心状態だった時の記憶)を求めてひとりで散歩に出かけ、迷子になっちゃいます・・・で、気が付くとシーサイドの前。
ジョセに気が付いた静とウキが、ジョセを捕まえようとするんだね。
で・・・静ねーちゃんは塀に頭をぶつけます。
ほほう、静ねーちゃんが「トロくて、どんくさい」って言われてる理由が描かれてますね。
ウキ婆ちゃんは、屈んだ拍子にギックリ腰になっちゃいました・・・。
【第90話】消された事件
●歩鳥/高校1年生-4月
4月から丸子商店街の交番勤務になった松田巡査がシーサイドを訪ねて来ます。
歩鳥とは面識があるようで(後に回想シーンで出会いが語られます)、歩鳥プロデュースのコントを披露して大スベリ・・・。
どうやら、遺失物のカバンを探してるみたい。
「人がたくさん居る暗い場所で、ぼうず頭にサングラスの男から飲み物をすすめられて以降、記憶が無い・・・その場にメイド姿の女の子が居た気がする」って紛失者の証言。
それで、(歩鳥曰く)メイド喫茶のオパビニア(正しくはパイオニア)である喫茶シーサイドを訪ねてきたみたい。
良く見ると、婆ちゃんは杖をついてます。第68話のぎっくり腰のせいですね。こんな細かな小ネタ・・・連載順に読んだら気が付かないよ。
恐るべし時系列シャッフル!!!
シーサイドには、真田君も来てますね。後の第1話「至福の店ビフォー」の前振りがされてます。
「へぇ~、面白くなって来たじゃ~ん」
「あ、亀井堂さんのマネだろ」
って歩鳥と真田くんの小ネタ的やり取り。
そして、歩鳥の回想&推理。
4月8日にシーサイドを訪ねた時※巻頭カラーの話ね、婆ちゃんから・・・
「これからはメイド喫茶ってのが儲かるらしいんだわ。過去10年余りタダ食いしてきたカレー代チャラにしてやるから、あんたもここで働きな」って強制的にバイトさせられることになった歩鳥。
その日の夜に開催された町内のお花見で、メイド姿をみんなにお披露目させられてるんだね。
ってことで・・・遺失物は、河川敷にある!
・・・で、実際にカバンが見つかりました。
「けっこうやるな、あの子」って松田巡査は感心してますね。
さて、肝心の遺失物の中身は・・・。
後に登場する宇宙人が持っていた「記憶を消すハンマー」ですよこれ!
どうやら、カバンを無くしたサラリーマンは宇宙人みたいですね・・・。
【第16話】ナイトウォーカー
●歩鳥/高校1年生-4月30日~5月1日
歩鳥の弟、猛(タケル)の登場だね。※時系列では小学3年生です。
工作で使う空き瓶を手に入れる為、栄養ドリンクを飲んだら・・・眠れなくなったって。
そんなタケルを、歩鳥が深夜の丸子町商店街に連れ出すお話しね。
ここでは、喫茶シーサイドは夜はお酒を出していること、真田君は歩鳥が好きだって説明(タケルの心の中)、大名行列(ラーメン屋)の屋台が登場するね。
公式ガイドブックによると、この時、歩鳥はノーブラだそうです・・・。
そう言えば、家に帰ってお風呂に入ろうと服を脱ぐとき・・・ノーブラですね。
【第36話】卒業式
●歩鳥/高校1年生-5月
歩鳥の妹、ユキコの登場だね。※時系列では小学校1年生です。
ゴールデンウィーク中にやる宿題を学校に忘れてきたユキコに付き添って、歩鳥が小学校に行くお話しね。
破天荒なユキコの性格が描かれてます。
ここで、後に登場する観察池の謎の生物の前振りが出てますね。
更に!気が付くとゾッとする1コマ・・・P41の階段の踊り場に幽霊が登場してます。
ついでに、その幽霊、P43の窓から歩鳥たちを見てますね。
これは後に学校の幽霊として登場する少女でしょうね・・・。
普通じゃ気が付かないレベルの伏線が散りばめられた漫画です・・・。
ちなみにタイトルの「卒業式」ってのは、高校生になった歩鳥が小学校に来たら、机も遊具も全てが小さく見えてしまって「もう私が来ちゃダメな場所なんだ」「卒業って、校内が社会全体って錯覚から卒業することなんだ」って思いを馳せるってことね。
【第1話】至福の店 ビフォア
●歩鳥/高校1年生-5月
連載第1話ですね。
真田君が歩鳥に会うために、喫茶シーサイドの常連になってます。
まあ、もともと、同じ町内の魚屋の息子って、幼少時は幼なじみで仲がよかったみたい。
シーサイドで数学の宿題をする真田君に「数学だけ写させて」「数学しか出てねーだろ」って仲の良いやり取りが登場してますね。
ちなみに、この時、真田君が使ってたシャーペンが歩鳥の手に渡ります。
※買った覚えがないのにいつのまにか持っていたシャーペンとして語られる品ですね・・・。
歩鳥がメイド喫茶でバイトしてる話を聞き、クラスメイトの辰野トシ子と針原さんが訪ねてくるんだね。
「こんなのメイドカフェじゃない!」って辰野さん憤慨!
そりゃあそうでしょ、婆ちゃんが思いつきで始めたメイド喫茶ですから・・・ってギャグね。
そして、辰野さんのメイド術指南。
「あんた、ウチで働かないかい!?」って婆ちゃんが辰野さんを勧誘してます。
「折角ですけど、クラブに入る事に決めてるのでバイトする時間はないです」
そんな辰野さんの前に現れたのが・・・好きになったクラスメイトの真田君。
真田君がシーサイドの常連だと知り、辰野さんもシーサイドでバイトすることになりました。
婆ちゃんの店はメイド喫茶に一歩近づき、真田君の至福の店は崩壊の兆し・・・。
【第2話】至福の店 アフター
●歩鳥/高校1年生-5月
歩鳥と辰野の無許可バイトを知った担任の森秋先生がシーサイドにやって来るお話しね。
辰野さんのメイド・デビューの日だよ。
森秋先生の堅物で融通の利かない性格が描かれてるね。
メイド服を着た辰野を見て、「成績で負け」「顔で負け」「スタイルで負け」「その上メイド服でも惨敗してる!」と落ち込む歩鳥を励ます(?)森秋先生・・・。
ちなみに、この一件で、歩鳥が森秋先生に惚れかけちゃいます・・・。
ちなみに、それ町って漫画・・・
色々な漫画のパロディが随所に登場してます。
今回は、ジョジョの奇妙な冒険風です・・・。
ナイトウォーカーでは、彼岸島の吸血鬼でしたね。
【第60話】歩鳥と謎の王国
●歩鳥/高校1年生-5月
歩鳥が見た夢のお話しね。
部屋の片づけをしてて寝ちゃったみたい。
部屋の片づけしてたら、子どもの頃にウキ婆ちゃんに買ってもらった児童文学「ドリスと謎の王国」を見つけるんだね。
ミステリーかと思ったら違ってて、途中で読むのをやめた本だね。
第108話、第26話で静ねーちゃんに出会った後のお話しってことだね。見た目も小学生っぽい。静ねーちゃんと出会った時は、もっと小さかったもんね。
夢の中で、ジョセフィーヌ演じる(?)フォックスと色々な謎解きをするファンタジー系お話しね。
ちなみに、歩鳥が着てる上着は、第16話ナイトウォーカーで着ていたのと同じ服。
相変わらず時系列シャッフルの小ネタだね。
時系列順に並べて、初めて着てる服が同じことに気が付いたよ・・・。
【第3話】セクハラ裁判
●歩鳥/高校1年生-5月
至福の店アフターで、担任の森秋に惚れた歩鳥の乙女の苦悩(?)と、休日の嵐山家の騒々しさ・・・。
騒々しい家を出て、シーサイドに来た歩鳥。
真田に会えるかもとシーサイドに来た辰野。
そんな歩鳥に八百屋に玉ねぎとじゃがいもを買いに行ってとお使いを頼む婆ちゃん。
ここで歩鳥が乗るエンジン付きキックボードは、ウキの旦那の善治(故人)が趣味で買ったものだって。
キックボードで町内を疾走する歩鳥を紺先輩が見てるって小ネタ。
松田巡査の股間にキックボードが激突・・・※連載時は松田巡査の初登場だね。
八百屋で牛乳を貰った歩鳥に対し、八百屋の主人が
「牛乳飲んだらちっとはデカくなるかもしれねーぞ」
「何がデカくなるってんだ!返答次第ではセクハラ裁判開廷すんぞコラッ!」
って凄む歩鳥。※歩鳥は貧乳です・・・。
松田巡査の目の前でキックボードに乗り「行くぞテツオ!!」ってAKIRAのパロディが好きです。
シーサイドに戻ると真田君が来てました。
牛乳を飲もうとする歩鳥に対し
「なんだよ、お前、大きくなりてーの?(身長の話)」
「どいつもこいつも、ヒトの顔見りゃチチの話だな!!もう、セクハラ裁判だ!」
結局、歩鳥は買い物の品を間違ったってオチね。
【第83話】闇に棲む声
●歩鳥/高校1年生-5月(前半は3~4月)
前半と後半で時期が違うのは、前半部分が歩鳥の回想だからだね。
中学を卒業した歩鳥が、弟のタケル(春休み中です)に頼まれて近所の廃屋で缶ケリをするお話し。
小学生だけで遊べない場所なので、保護者として付き添いするんだね。
その廃屋の中で・・・幽霊が返事をしたって・・・ちょっとホラーなお話しね。
そんなことがあったんだよって、亀井堂の静ねーちゃんに話してる歩鳥。
どうやら、その廃屋はネットでも有名な心霊スポットらしい・・・。
ここで、亀井堂静ねーちゃんの推理!
ネットで有名な心霊スポット・・・ではなく、歩鳥の話がネットに書き込まれただけ・・・みたい。
「幽霊の話、誰かにしたか?」
「静ねーちゃんと、婆ちゃん、高校の友達と真田と・・・」
「いっぱい喋ったんだな?」
そして、後半は幽霊事件の解決編。
「近いうちに関係者を集めてくれ」
「あ・・・あこがれの探偵的セリフだ」
歩鳥と静ねーちゃんの師弟関係が垣間見れるね。
第26話、第108話で静ねーちゃんが始めた歩鳥自分化計画が成功してるようです。
結論的には、思い込みによる見た目と名前の誤認って結論でした。
「高ブー」=太めの子・・・ではなく
「高ブー」=高部
って、あだ名を誤解したために廃屋の中で返事した高ブー(細身の子)を幽霊って勘違いしちゃったんだね。
でも・・・ネットでばら撒かれた怪談話は、いないはずの幽霊に実体を与えてしまうかもしれない・・・ってちょっとミステリーなオチ。
【次回へ続く】